ロルフィング®︎とは

歪な形の石が重なり合った積み石。崩れずにバランスを保っていられるのはなぜだろう。
それは、石が重力の軸に沿って積み上げられているから。

重力に逆らわなければ、支えがなくてもバランスが保てるのだ。でも少しでもその軸から外れると、積み石は崩れ落ちてしまう。

これは人間の身体も同じ。

人間の身体が重力の軸から外れるというのは、例えば、ストレートネック、反り腰、猫背などが分かりやすい。

人間の身体もバランスを欠くと、本当は倒れてしまう。でも私たちは、そう簡単に倒れるわけにはいかない。だから他で補い、なんとか身体を保持しながら生活を続ける。

例えば、首が前に出ている人の場合、ボウリングの球ほどの重さがある頭部がてっぺんから落ちそうになっているのを、後ろ側の筋肉がずっと必死に支えている状態だ。負荷がかかり続け、いずれ痛みやこりを感じ始める。そしてまたそこをかばったり、他の部分で補ったりしていくうちにバランスはどんどん崩れていってしまう。

この様に痛みやこりなどの不調の原因は、身体の使い方であることがとても多い。

整体などではこの痛みや不調を取り除くための治療をしてくれる。

ロルフィング®︎はというと、局所的な不調ではなく、身体全体のバランスを取り戻すことにフォーカスする。そして、積み石の様に、重力に抵抗しない「楽」に機能する身体の使い方を身につけていく。

そのプロセスとして、10回のセッションやその間の普段の生活の中で、自分の身体の使い方や感覚に意識を向ける。

「ロルフィング®︎は戻りがない」と言われる理由はシンプルで、負荷のかからない身体の使い方を、自分が見つけて身につけるから。
楽な歩き方、楽な座り方、楽な生き方が分かれば、それは自然と続けられる。

「では、悪い姿勢を変えよう!」と思っても、実際はなかなか難しいもの。それは筋肉や骨などのあらゆる組織を包む筋膜が「いつもの場所」で固まってしまっているから。

そこでロルファー™️(ロルフィング®︎の施術者)は解剖学に基づき、全身の筋膜に順番に働きかけていく。リリースする(緩める)だけではなく、張りが必要な場所には張りを持たせ、身体の各部分の本来の機能を呼び起こす。

そうすることで身体の可動域が広がり、癖やパターンの改善がしやすくなる。

セッションでは、ベッドの上での施術の他に、歩いたり、座ったりしながら、ロルファーと一緒に身体の使い方について確認する。必要に応じてロルファーが提案をし、より楽な(重力に調和した)状態を探していく。

次のセッションまでの普段の生活の中で、それを実践し、新しい身体の使い方を見つけていく。このため、セッション以外の時間も変化が起こる上でとても大切な要素だ。

この様にロルフィング®︎はクライアントとロルファー™️が二人三脚で行うプログラムだ。施術というより、楽な身体の使い方を身につけるトレーニングや習い事の様でもあるかもしれない。

「ロルフィング®︎はみんなが受けるべきだと思う。」と言ってくださる方々もいるが、それはロルフィング®︎が単に身体のバランスを整えるだけではない、一生使っていく大切な身体と深く向き合う時間でもあるからだと思う。

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